劇画家・バロン吉元、ロサンゼルスで初となる個展『Baron Yoshimoto GEKIGACORE』開催。屏風絵を含む新作絵画40点以上を展示、ゲストアーティストに寺田克也氏。

バロン.プロのプレスリリース

LAのアートスペース「GR2 Gallery」において、漫画家・バロン吉元にとって西海岸地域では初となる個展『Baron Yoshimoto GEKIGACORE』が開催されます。会期は2020年7月18日(土)から8月6日(木)まで。

『Baron Yoshimoto GEKIGACORE』メインビジュアル『Baron Yoshimoto GEKIGACORE』メインビジュアル

2019年に画業60周年を迎え、今年1月にはフランス・アングレーム国際漫画祭での巨大劇画の公開制作が話題となったバロン吉元。その後コロナウイルスの流行が広まる中、自身がステイホームを始めた4月を起点とし、延べ3ヶ月もの間に描きおろされた新作絵画40点はアメリカへ。ロックダウンの最中、ロサンゼルスのアートスペース「GR2 Gallery」の壁を埋め尽くします。

ゲストアーティストには、共に公開制作を行うなど近年におけるバロン吉元の創作活動を一番身近で実見し、時には並走してきた漫画家・寺田克也氏が参加。バロン吉元の作品からインスピレーションを得て生み出されたオマージュ作品を展示します。またバロン吉元の娘でありアートプロデューサーのエ☆ミリー吉元がキュレーション及び作品の共同制作を担当。作品の閲覧および販売は、GR2 Galleryのウェブサイトを通して実施される予定です。
GR2 Gallery ウェブサイト: https://www.giantrobot.com

アメリカで出版された、バロン吉元の初期短編集『The Troublemakers』にフォーカス

『The Troublemakers』Retrofit社刊『The Troublemakers』Retrofit社刊

漫画史家のライアン・ホームバーグ氏により編集および翻訳されアメリカで出版された『The Troublemakers』(Retrofit社刊)は、バロン吉元が60年代後半から70年代にかけて発表した6つの物語でアンソロジーが構成されており、当時の漫画界における同氏の特筆した観察力や創造力の高さを示し出しています。
題材となっているのは、性別や人種、民族差別、その他の差し迫った、依然として関連のある社会問題の数々。バロン吉元は1965年にアメリカで起こった「ワッツ暴動」の際にも単身渡米、現地で取材を試みており、その影響は収録作品の1つ『少女と黒人兵』(1966)にも色濃く反映されています。

 

 

今回の展覧会では『少女と黒人兵』へのセルフオマージュとしての屏風絵も展示される予定です。
 

1000×2608mm、2020年制作 ©️Baron Yoshimoto1000×2608mm、2020年制作 ©️Baron Yoshimoto

■展覧会タイトルにもなった「CORE」という言葉が持つ2つの意味
名詞では「芯、中心」、動詞になると「(芯を)抜き出す」意味となります。

 

  • CORE: 1 「芯、中心」

当初は挿絵画家を目指していたが、美大中退を機に漫画家としてデビューし劇画を執筆、その後は画家の道へ。ジャンルやアイデンティティに囚われることなく、いちアーティストとして縦横無尽に表現の幅を広げてきたその貪欲さ故に、制作に対する取り組みや手段は常に変化し続けている。しかし一方でテクニックには執着することなく、自身の中に芽生える新たな表現の探求と柔軟に向き合いながら、筆を振り立て続けてきた。そのような中、バロン吉元は今一度、自身の初期作品である劇画「The Troublemakers」と向き合うことで、作者の根底に在り続ける変化することのない創作的核心を、セルフオマージュのプロセスから自身に問う。

【展示作品】

530×455mm、2020年制作 ©️Baron Yoshimoto530×455mm、2020年制作 ©️Baron Yoshimoto

530×455mm、2020年制作 ©️Baron Yoshimoto530×455mm、2020年制作 ©️Baron Yoshimoto

530×455mm、2020年制作 ©️Baron Yoshimoto530×455mm、2020年制作 ©️Baron Yoshimoto

 

  • CORE: 2 「抜き出す」

本展キュレーターのエ☆ミリー吉元は、「The Troublemakers」に収録された劇画作品のコマを抽出し、キャンバスに一枚絵として描き起こす「抜き出し」の「CORE」を試みる。現在のバロン吉元が取り組む絵画制作とフラットな関係性を当時の劇画に見出し、また1つのコマをページの一部分としてではなく、1つの絵画として抜き出した際に、そのコマは前後の時間から切り離され、枠線を越境し、視点の変化と共に独立したストーリー性を帯びる。それは過去から現在まで続く、バロン吉元の一貫した創作的核心との共鳴を示す。

【展示作品】

『絵梨子のしあわせ』(1972年)/ Cored by Emily Yoshimoto ©️Baron Yoshimoto『絵梨子のしあわせ』(1972年)/ Cored by Emily Yoshimoto ©️Baron Yoshimoto

『絵梨子のしあわせ』(1972年)/ Cored by Emily Yoshimoto ©️Baron Yoshimoto『絵梨子のしあわせ』(1972年)/ Cored by Emily Yoshimoto ©️Baron Yoshimoto

『虫けら』/ Cored by Emily Yoshimoto ©️Baron Yoshimoto『虫けら』/ Cored by Emily Yoshimoto ©️Baron Yoshimoto

『絵梨子のしあわせ』(1972年)/ Cored by Emily Yoshimoto ©️Baron Yoshimoto『絵梨子のしあわせ』(1972年)/ Cored by Emily Yoshimoto ©️Baron Yoshimoto

『絵梨子のしあわせ』(1972年)/ Cored by Emily Yoshimoto ©️Baron Yoshimoto『絵梨子のしあわせ』(1972年)/ Cored by Emily Yoshimoto ©️Baron Yoshimoto

『あるストリッパーのギャンブル人生』(1970年)/ Cored by Emily Yoshimoto ©️Baron Yoshimoto『あるストリッパーのギャンブル人生』(1970年)/ Cored by Emily Yoshimoto ©️Baron Yoshimoto

 

【概要】
Baron Yoshimoto GEKIGACORE
https://www.giantrobot.com
#baronyoshimoto #gekigacore

会期: 2020年7月18日(土)~8月6日(木)
※7月18日の午後12時(日本時間:7月19日午前4時)からGiant Robot/GR2 Galleryのインスタグラムアカウント(https://www.instagram.com/giantrobot/)より現地からライブ配信がされる予定です。(バロン吉元の出演はありません)

会場: GR2 Gallery
2062 Sawtelle Blvd Los Angeles, CA, 90025 USA
※会場への来場不可。作品の閲覧および販売はGR2 Galleryのウェブサイトを通して実施される予定です。
GR2 Gallery ウェブサイト: https://www.giantrobot.com

【バロン吉元】
旧満州生まれ、鹿児島県指宿市育ち。1959年、漫画家デビュー。その後劇画ブームの全盛期を築いた一人となり、代表作である『柔俠伝』シリーズ、『どん亀野郎』、『黒い鷲』他、多数の作品を発表。
しかし1980年、全ての連載を終わらせ単身渡米。スタン・リーとの出会いを経て、翌年にはマーベル・コミックで執筆。帰国後は漫画執筆と並行し、以降30年にわたりバロン吉元の名を伏せ絵画制作に没頭。
2015年、雅号を「バロン吉元」に統一。漫画作品をまとめた初の画集となる『バロン吉元 画俠伝』(山田参助・編/リイド社)リリース。画業60年を迎えた2019年には日本漫画家協会賞文部科学大臣賞を受賞し、弥生美術館にて「バロン吉元☆元年」開催、あわせて『バロン吉元画集 男爵』(パイインターナショナル)が国内外で出版された。

バロン吉元: https://www.baron-yoshimoto.jp/
Instagram: https://www.instagram.com/baronyoshimoto/
Twitter: https://twitter.com/baronyoshimoto
YouTube: https://youtu.be/kdABaL-mbEg

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