一般社団法人保健医療リテラシー推進社中のプレスリリース
医師や公衆衛生の専門家が運営する新型コロナウイルス感染症およびそのワクチンについて正しい情報を届けるためのプロジェクト「こびナビ(CoV-Navi)」(運営:一般社団法人保健医療リテラシー推進社中、代表: 吉村健佑、以下「こびナビ」)は、本日、新型コロナワクチンについての正しい理解の促進を目的に開催したマンガコンテスト「コロナマンガ大賞(https://covnavi.jp/manga/)」において、大賞1作品を含めた、9つの受賞作品を決定しました。
■新型コロナワクチンに関する正しい解説や、コロナ禍における生活に込めた想いを表現するマンガ・イラストを募集
日本でも、新型コロナワクチンの接種対象が12歳以上の全年齢に拡大しつつあり、ワクチンについての情報の需要がますます高まっています。一方で、「ワクチンを接種すると不妊になる」、「遺伝子が組換えられる」などの不正確な情報も広く発信されており、ワクチン接種に対して不安に感じる人が多くいるのが現状です。
このような状況を踏まえて、「こびナビ」では、より多くの方々に新型コロナワクチンについて正しく理解していただくことを目的としたマンガコンテスト「コロナマンガ大賞」を開催しました。「こびナビ」の医師による解説動画※1をもとに、新型コロナワクチンのメカニズムを解説する「新型コロナワクチンの仕組み部門」、コロナ禍によって変化した生活や、新型コロナワクチン普及後の生活に向けた想いを描いていただく「コロナと私たちの生活(フリーテーマ)マンガ部門」、「コロナと私たちの生活(フリーテーマ)イラスト部門」の3部門で作品を募集。約1ヶ月の応募期間で、3部門合わせて99作品の応募をいただきました。作品の応募には、プロアマ問わず多くのマンガ家やイラストレーターの方をはじめ、医師や看護師、医療事務、会社員、保育士、子育て中のお母さん、小学生のお子さんからも多くの応募をいただきました。
※1 新型コロナワクチンの仕組み解説動画:https://www.youtube.com/watch?v=DCFizKVciZQ
■ゆうこすさんや堀江貴文さんなど、「こびナビ」の活動趣旨にご賛同いただいた著名人の方々が審査員として参加
応募いただいた作品の審査にあたっては、「こびナビ」のプロジェクトメンバーの他、「こびナビ」の活動趣旨にご賛同いただいた著名人の方々に審査員を務めて頂きました。地域医療をテーマにした作品『町医者ジャンボ』を手掛けたマンガ家のこしのりょうさんに審査委員長を務めていただき、ゆうこすさん(タレント)、堀江貴文さん(実業家・一般社団法人予防医療普及協会 理事)、佐渡島庸平さん(株式会社コルク 代表取締役社長)、松山洋さん(株式会社サイバーコネクトツー 代表取締役社長)に審査員としてご参加いただきました。
■受賞作品
・「大賞」(1作品)(「新型コロナワクチンの仕組み」部門)「【衝撃の真実】【漫画でわかる!】新型コロナウイルスワクチンの正体」15さん 職業:マンガ家
作品概要:
お互い感染しないため、2週間の自己隔離を終えた後、久しぶりに集まった4人の男女。自然と新型コロナワクチンのことが話題に上がります。接種に不安を感じる友人のために、生物学研究者を兄に持つ男性が、ワクチンの仕組みについて解説します。
受賞理由:
読みやすさと情報のバランスが良く、審査員の皆さんもこの作品を推す声が目立ちました。すらすらと読めるだけではなく、内容もしっかり頭に入ってくる作品で、作者の想いも読者に伝わる内容となっていました。最後のギャグも効いていてオチも楽しめる作品です。
受賞者コメント:
今の状況で息子を守るために何かしたい気持ちがあり、コンテストが発表されたときに「やろうかな」と一瞬思ったのですが、自分の理解だけでは正確な情報を描けないので一旦諦めました。ですが、デンマークでRNAの研究をされている
Toshiさんが漫画を描けるパートナーを募集されていたのを知り、一緒に制作できることになったので応募しました。読んだ人が「否定された」「責められた」「傷つけられた」「置いてけぼりにされた」と感じないように描くこと、「怖いこと」「不安なこと」「わかりにくいこと」は、楽しめるように描くことを心がけました。実際に「このマンガを読んでワクチン打ちに行った」という方もいるらしく、 とても嬉しかったです。
審査員コメント:
「まず、作画のレベルが高い。情報が伝わるよう工夫がこらされている上、物語としての展開も良いですね。」(佐渡島さん)「マンガと医療の学びの部分のバランスが良いし、このまま医療マンガが書けるな、という感じがすごいします。」(堀江さん)「スマホでの読みやすさを配慮したコマ数が素晴らしい。描いている内容も率直に一番勉強になる作品でした。」(松山さん)「最後ボケで終わるのが面白いですよね。」(ゆうこすさん)
・部門賞(2作品)
(「コロナと私たちの生活」マンガ部門)「スマイル~コロナ禍の漫画展~」 筑濱健一さん 職業:マンガ家
作品概要:
コロナ禍で落ち込んでいる人たちを励ましたい、という想いで作者が実際に開催した地元商店街の小さなマンガ展。訪れた人たちのちょっとした物語と笑顔を集めた作品です。
受賞理由:
コロナ禍ということでちょっと暗い話題や、医療に振り切った話題が多い中で、希望を見せてくれるような作品であったこと。ほっこりと楽しく、先の未来を「笑顔」というキーワードでつないでいる感じがとてもいい作品であると感じました。
受賞者コメント:
昨年の10月、コロナ禍で落ち込んでいる大阪の商店街を少しでも明るくしたいという思いから、天神橋筋商店街で漫画展をしました(当時は緊急事態宣言やまん延防止措置は解除されていました)。ぽつりぽつりと色々な方がお越しになられ、自分の人生を絵に合わせて楽しそうに話をしていただきました。そのお礼にアクリル板越しに似顔絵を描かせていただきました。その時は、みなさんにはマスクをとって笑っていただいたのですが、似顔絵を描きながら「あぁ人の笑顔は素晴らしいなぁ」と改めて感じました。その時の「じわーっ」とした気持ちを皆様にシェアできたら幸いです。
審査員コメント:
「多くの人に対して“未来に希望を持つために今何ができるのか”を伝えるすごい素敵な作品だと思った。」(前田さん)「明るい未来に向けた希望の話として、漫画展の意義を描いていたことがすごく前向きで良かった。」(松山さん)
(「コロナと私たちの生活」イラスト部門)「コロナに勝ったよ!」はーこさん 職業:小学生
作品概要:
ワクチンを接種することでコロナに打ち勝ち、マスクのない生活を取り戻すことを、小学生のお子さんが1枚のイラストで表現した作品です。
受賞理由:
(コロナマンガ大賞は)今までになく幅広い年齢の方々から応募をいただきましたが、その中でも、小学生の方々からいただいた作品が目を引きました。ワクチンを擬人化しているこの作品は、細かいところまで凝っていて、頑張って描いているな、ということが伝わってきたのでその点を評価させていただきました。
受賞者コメント:
母がコロナマンガ大賞に応募する漫画を描いているのを見て、自分も描いてみたいと思ったので応募しました。見た人が元気になるように、コロナに勝つ未来をテーマにしました。特に、明るい印象になるように、明るい色を使うようにしました。素敵な作品ばかりの中で自分が受賞をするとは思っていなかったのでビックリしています。でもとてもとても嬉しいです。
審査員コメント:
「マスクに“グッバイコロナ”と書いてあって、かわいくデコレーションをしていて、普段から(コロナ)対策をかわいらしくしている姿が想像できました。 “コロナに勝ったよ!”と言い切っている感じが希望を持てて良いですね。」(ゆうこすさん)「コロナに勝ったよ!と言い切っているのが気持ちいい。早くみんなでこう言いたいですよね。ダブルピースと満面の笑みという、1枚の絵で分かりやすいなと思います。」(松山さん)
・■審査員特別賞(4作品)(ゆうこす賞)「Dr.リボソームの遺志」おちゃやまさん 職業:自営業
作品概要:
mRNAワクチンを接種することで、新型コロナウイルスに対する抗体が作られる過程をシンプルに描いた作品。mRNAを設計図にしてスパイクタンパク質を作り出す、「リボソーム」が主人公。
受賞理由(ゆうこすさんコメント):
「ポップでキャッチーで出てくるキャラクターも全員かわいいところと、バズらせやすそうなところ。Twitterは写真、インスタは文字を頑張るとバズりやすいという逆張りの要素があって、Twitterではマンガがすごくバズりやすいので、是非Twitterに投稿してほしいなと思いました。」
受賞者コメント:
昨年のコロナ禍に長男を出産し、子供の予防接種の知識をつける中で、コロナワクチンにも関心を持っていました。身構えず気楽に読んでもらえるように、細胞を擬人化したパートと現実のパートの構成で、コンパクトな漫画を目指しました。ワクチン接種を何に例えるとわかりやすいのか悩んだ末に、誰しも経験のある「勉強」になぞらえて説明してみました。
(ホリエモン賞)「ハートピース」 とし@絵描き医さん 職業:医師
作品概要:
旧約聖書に登場する、人類が神に近づこうとして建設した「バベルの塔」。神が人類に様々な言語を与える事でバラバラになり実現しなかったものを、あえて天に届かせることで、「異なる言語を持った人類が一つになり疫病に打ち勝つ」ことを表現した作品。
受賞理由(堀江さんコメント):
「インパクトありますよね。(この作品は)お医者さんが休憩時間中に描いているんですよ。すごいですよね。」
受賞者コメント:
元々絵を通して震災復興などの社会貢献活動をしており、「こびナビ」の活動に協力できればと思い応募させていただきました。平和に繋がる前向きな内容を隅々にまで描きましたので、意図を考察していただければ幸いです。医者の中でも毎日、実際に個人防護具を着て人工呼吸器やECMOを扱う事を専門とする身として、コロナマンガ大賞を通じて正しい知識が広まり、一人でも感染に苦しむ方が減ればいいと思います。
( 佐渡島賞)「コロナ病棟で働く医師の話」 按図よしひろ(Dr.GAMES)さん 職業:マンガ家、医師
作品概要:
コロナ病棟で勤務する医療関係者の方々が過ごす日常を描いたマンガ。直面する厳しい現実や、勤務の励みなどを医療関係者の心情とともに表現した作品です。
受賞理由(佐渡島さんコメント):
「(医療関係者たちは)みんな感情を持って大変な職場に毎日出勤している。それだけでもすごい事だが、世の中のニュースを見ると、医療関係者の感情が抜け落ちているものになっている。(この作品は)そこに対する想像を働かせるきっかけを与えるようなマンガになっている点が魅力的で素晴らしいと思いました。」
受賞者コメント:
精神科医かつ漫画家として活動しています。この作品のテーマは「現実の共有」と「感謝」です。医療現場における感謝という感情を、脚色せず、たんたんと伝えるにはどうしたら良いかを工夫しました。医療的な事実に間違いがないよう、Dr.GAMESのスタッフが監修しました。多くの方に読んでいただけて嬉しいです。
(松山賞)「緑夜くぐり噺(りょくやくぐりばなし)」 MonAmieさん 職業:漫画家、画家、小説家
作品概要:
ダンスの公演が決まり、コロナワクチンを接種すべきか迷う姉に、ワクチンに詳しい理系の弟が仕組みを解説するマンガ。クールにコロナワクチンの仕組みを解説する弟の想いとは。
受賞理由(松山さんコメント):
「登場人物が少ない中で物語が構成されており“必要なことをちゃんと伝えられる”というマンガのいい所がよくできている。あとはとにかく女の子がかわいい。一人でも多くの人に(メッセージを)届けるのであればかわいい女の子は正義かなと思います。」
受賞者コメント:
渡越中ですが、ベトナムでも感染は収まらず、中々辛い日々が続いております。社会の足並みの揃わない昨今ですが、自分が漫画を作ることで、ワクチンや医療関係者に対する信頼の輪が広がれば良いなと思いました。名誉な賞をいただきまして、大変光栄に思っています。
(メディカルノート賞)「ミッション・イン ザ ボディ-mRNAワクチンの秘密-」 こなみ いっぺいさん
受賞理由:
いずれの作品も力作で、医学情報をマンガという手段を用いて伝えることの可能性をあらためて実感させてくれる機会となりました。そのなかでも特にマンガと医学の親和性の高さを証明する作品であったと思います。ワクチンのメカニズムを伝えるためのサイエンスコミュニケーションに対する工夫が凝らされているだけでなく、マンガとしてのストーリーも大変面白いものでした。
受賞者コメント:
今回、「新型コロナワクチンの仕組み」部門に取り組むにあたり、にかく簡潔で平明なマンガを目指しました。マンガですからね。スマホでサクサク読んでくださいませ。今大変な思いをされている方も、でっかい口開けて笑いあえる世の中が戻ってきますように。
(知念実希人賞)「あなた自身が、名もなきヒーロー。」 肉球せんせいさん
受賞理由:
とても可愛らしいイラストで、いま多くの方に知って頂きたいことが分かり易くまとめられていて、素晴らしいです。
受賞者コメント:
長引くコロナ禍で心が荒み疲れ果て、誰かを英雄に祭り上げたり、逆に攻撃したり貶したり。でもそんな中、この2年で有効性が明らかになった「基本的な感染対策」を、淡々と続けてくれている多くの人こそが、感染拡大を食い止める重要なキーマンであり、名もなきヒーローなんだ、ということ。そしてそういう存在に医療従事者は深く感謝しているんだ、ということを伝えたいと思いました。今やっているその対策こそが意味があるとふたたび気持ちを新たに、多くの方がもう一踏ん張りできる一助になれたら心から嬉しく思います。
「コロナマンガ大賞」の受賞作品全9作品は、本日より「こびナビ」のホームページ(https://covnavi.jp/)で公開しております。また、大賞は日刊SPA!およびFRaU、佐渡島賞はFRaUおよび東京マンガレビュアーズ、ゆうこす賞は女子SPA!、ホリエモン賞は東京マンガレビュアーズでの紹介を予定しています。
なお、「コロナマンガ大賞」の応募作品の審査および、受賞作品(大賞・部門賞・審査員特別賞(ゆうこす賞・ホリエモン賞・佐渡島賞・松山賞の4作品)発表の模様は「こびナビ」の公式YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/watch?v=5M-nPGN3lcY)でご覧いただくことができます。
今回、「コロナマンガ大賞」に関する取り組みを通じて、今までのマンガコンテストにはない幅広い年齢の方々、そして様々なご職業の方々から多くの応募をいただきました。また、内容についても、描かれているシチュエーションや表現方法は異なりますが、マンガ家の表現力豊かな描写やストーリーに、テーマに関する知識が豊富な医療関係者が監修に入ったコラボレーションなど、読みやすさや読み応えだけではなく、“正しい情報を伝える”という点を意識した作品が数多く見られました。さらには、応募いただいた方々の中には、「こびナビ」の活動に協力したいという非常に有難い声もいただくことができました。
「こびナビ」では、今後も新型コロナ感染症およびそのワクチンに関する正確な情報をより多くの方々に分かりやすい形で伝え続けていくことを目指してまいります。
■コロナマンガ大賞 概要
・募集部門(3部門)
1.「新型コロナワクチンの仕組み」部門(4〜10ページ)
新型コロナワクチンのメカニズムについてわかりやすく解説するマンガを募集します。ワクチンについて「こびナビ」の医師が解説した動画を参考にしていただき、mRNAがどのようにして細胞内に取り込まれ、どのように免疫を手にするのかということをマンガで表現していただきます。ただし、挿絵のついた教科書ではなく、「マンガとしてのストーリー性」も評価の対象とします。
2.「コロナと私たちの生活(フリーテーマ)」マンガ部門(4〜10ページ)
新型コロナに関するマンガを募集します。コロナによって以前とは違った世界になりました。その中でも、どう前を向いて歩んでいくのか。そしてコロナが終わった後にどう過ごしていきたいか、あなたの感じていることを率直に送ってください。みんなが勇気づけられるような作品を、多くの方にお届けしたいと思っています。
3.「コロナと私たちの生活(フリーテーマ)」イラスト部門(1枚)
上記のマンガ部門と同様のコンセプトでイラストを募集します。1枚のイラストの中にあなたの想いを込めてください。
・募集期間
2021年6月30日(水)〜8月7日(土)まで
・審査員 ※敬称略
審査員長:こしのりょう(マンガ家)
審査員 :佐渡島庸平(株式会社コルク代表取締役社長)、ゆうこす(タレント)、堀江貴文(実業家)、
松山洋(株式会社サイバーコネクトツー代表取締役社長)、和久井香菜子(少女マンガレビュア
ー・ライター)、木下喬弘(こびナビ副代表)、前田雄太(株式会社まんがたり代表取締役社長)
・受賞特典
大賞(1作品):3部門の中で最も優秀であった作品1つに授与
-賞金(10万円)、各メディアへの掲載、「こびナビ」が監修する「コロナに関する情報発信」をするためのマンガ・イラストの優先制作依頼
マンガ・イラスト部門賞(2作品):大賞を受賞した作品以外の2つの部門に授与
-賞金(5万円)、各メディアへの掲載
審査員特別賞(6作品):ゆうこすさん、堀江さん、佐渡島さん、松山さんがそれぞれ1作品ずつ選び賞を授与します。 また、医師であり小説家の知念実希人先生、株式会社メディカルノート代表取締役の井上祥先生も特別賞の選定にご参加いただきます。
-賞金(1万円)、各メディアの掲載可能性あり
・協賛・後援
MESプロモーション株式会社、日刊SPA!、女子SPA!、株式会社サイバーコネクトツー、東京マンガレビュアーズ、横浜市医療局
・主催
こびナビ(CoV-Navi)
【「こびナビ」について】
新型コロナウイルス感染症およびそのワクチンについて正確な情報を発信するため、一般社団法人保健医療リテラシー推進社中が運営するプロジェクトです。プロジェクトの運営には、日米30名以上の医師や公衆衛生の専門家が携わっています。ホームページでは、動画やQ&A方式で新型コロナウイルス感染症およびそのワクチンにまつわる情報の解説や、新型コロナワクチンを体験した方々による体験記を公開しています。その他にも、平日の朝8時30分から9時まで、Twitterの音声ライブ配信機能「Spaces(スペース)」を使って、新型コロナワクチンの最新情報や論文を解説。公式Instagram(@covnavi)では、毎週月曜、木曜、土曜の夜10時15分から、運営メンバーが視聴者からの質問に直接答えるインスタライブを行うなど、様々な形で情報の発信をしています。
運営メンバー(一部)