株式会社朝日新聞出版のプレスリリース
シングルマザーの蔵野(くらの)たからが、純真無垢な息子の勝利(しょうり)の笑顔に救われながら、様々な困難に立ち向かい、ヘルパーとして成長していく奮闘劇。2019年11月から2021年9月まで週刊朝日で連載された『新生ヘルプマン ケアママ!』(くさか里樹[りき]著)。2021年10月7日(木)に発売された第3巻に続き、完結話を収録した第4巻が大増量408ページで11月5日(金)に発売されます!
撮影・辻菜々子(写真部)
ヘルパー事業所「ピンフォール」の存在を疎ましく思っている松原亀子(まつばらかめこ)は、無人の「ピンフォール」に潜入し、そこで偶然、高齢者に向けた規格外の有料サービスの写真を発見。それをSNSで拡散したことで、世間から非難囂々の大炎上となり、地元民の応援なしには成り立たない弱小プロレス団体「ことぶきプロレス」は、ヘルパー事業からの撤退を余儀なくされてしまう。やられたらやり返す白田金造(しろたきんぞう)は、たからに亀子の知られたくない過去についてSNSで拡散するよう命じる。しかし、たからは亀子への仕返しには大反対。白田は、亀子が醜い女になってしまったのは、日陰の身にさせてしまった負い目から甘やかしてしまったことが原因だと語りだした。それを聞いたたからは、甘やかされたから根性が曲がるのはウソだと言い、自分には甘えられる存在はいないが、亀子には白田がいると、自らの人生と照らし合わせながら亀子を擁護した。
白田は、たからの言葉に心を動かされ、考えを一新。亀子を口説く動画を撮るため、松原邸へ向かった。しかし、白田は、そこで息絶え帰らぬ人に。死を受け入れられないたから。そして、もう一人、「ピンフォール」のヘルパー事業撤退が迫る中、ヘルパーを辞め、プロレスに戻る決心をした早乙女千陽(さおとめちはる)も、試合中に先輩レスラーを殺めてしまったことで、死を受け入れられずにいた。
そこへ、新たな訪問者が「ピンフォール」にやってきた。放心状態で認知症の親の乗った車椅子を押す大森美裕(おおもりみひろ)。そして、マスクをはめ拘束具をつけられ車椅子でうなだれる大森采(おおもりさい)。ヘルパー事業撤退直後に現れた、異様な状態の親子に驚くたからと千陽。しかし、二人が気がつくと、車椅子ごと采を放置し、娘の美裕は姿をくらましてしまう。荷物にも身元を示すものがなく、完全に確信犯の“捨て親”に戸惑うが、たからは持ち前のポジティブさで、采とコミュニケーションを取ろうとし、マスクと拘束具を外した。その瞬間、たからの腕に采が噛みついてきた。慌てて再度縛りつけようとする千陽。たからがそれをためらうと、千陽は「おまえにヘルパーは無理だ」と一喝。二人がヒートアップしている中、気がつくと、采は外へ飛び出しその場から消え、あわや交通事故に遭う直前に千陽が確保。たからは、美裕の元へ母親を戻そうとするのだが、介護生活に戻ることを拒絶され、いったん采の身柄を預かることになった。しかし、たからは、亡き白田ら高齢者を自宅アパートで寝泊まりさせていたことがバレ、賃貸契約違反で退去を求められていた。八方塞がり状態で困り果てるたからは、シングルマザーでホームレスになるのだけはなんとしても避けたいが、どうにもならず泣きじゃくっていると、突然認知症の采が、奇蹟を起こし、娘の美裕と住んでいる自宅前で、家を開けるように交渉し始めた。
そんな采は、シングルマザーとして一人娘の美裕を女手一つで育て上げた苦労人。当時、自宅兼用の小料理屋を切り盛りし、ささやかながら常連が付き繁盛していた。看板オーナーだった采は、持ち前の明るさでエルビス・プレスリーを熱唱し、客を和ませていた。しかし、そんな母をどこか受け入れられずにいた美裕は、自らも離婚を経験し認知症になった母の介護をしていた。
たからは、ゴミ屋敷と化した采の店を清掃し、元飲食店だった面影を復活させた。それに呼応するように、認知症の母が娘のために握り飯を用意した。忘れかけていた母の味に涙が止まらない美裕。職なし、住居なしのシングルマザー蔵野たからと勝利親子は、当分の間、大森宅にお世話になろうとするのだが……。
2003年に始まった「ヘルプマン」シリーズの完結編。ぜひ、お求めください。
『新生ヘルプマン ケアママ!』Vol.4
定価:1760円(本体1600円+税10%)
発売日:2021年11月5日(金曜日)
https://www.amazon.co.jp/dp/4023319651