台湾の漫画家が北九州市でコミック・アーティスト・イン・レジデンス

台北駐日経済文化代表処台湾文化センターのプレスリリース

 北九州市は「マンガ都市」として文化観光産業の発展に取り組んでおり、7万冊の蔵書を有する「北九州市漫画ミュージアム」は近年、米国やスペインなどの漫画家とのコミック・アーティスト・イン・レジデンスの交流を行ってきた。また、西日本最大規模のアニメ、ゲームなどのポップカルチャーをテーマにしたイベントである「北九州ポップカルチャーフェスティバル」も2014年から開催されている。今回の台湾から派遣するコミック・アーティスト・イン・レジデンスは、台北駐日経済文化代表処台湾文化センターと北九州市が今年5月に協力覚書を調印し、実施されるものである。

   台湾は長きにわたり日本の漫画と緊密なつながりがあり、近年は台湾の漫画家も日本国際漫画賞をはじめ民間主催の各種漫画コンクールで優秀な成績を収めている。Rimui(韋蘺若明)の『葬送のコンチェルト』 (原題:送葬協奏曲)が第14回日本国際漫画賞最優秀賞を受賞したほか、阮光民(ルアン・グアンミン)の『用九商店』(原題:用九柑仔店)をはじめとする台湾オリジナル漫画作品が日本で出版され、これらは台湾漫画の多様性と潜在力を示している。 

  2019年に文化部は第10回「金漫賞」(ゴールデン・コミック・アワード)の受賞者および優秀作品をともない北九州国際漫画祭に参加し、交流や展示を通して台湾漫画の魅力をPRした。昨年は、「金漫賞」関連イベントに北九州市漫画ミュージアム館長をゲストにオンライントークイベントを開催した。新型コロナウイルスの影響が続く中においても、双方の交流は中断することなく、文化部と台湾文化センターが連携し、北九州市の力強い支持の下、コミック・アーティスト・イン・レジデンスに台湾の漫画家が参加できることになった。

   文化部は、8月10日まで派遣希望漫画家の申請を受け付け、選抜された漫画家に対し、交通、生活、創作費用を補助する。滞在費用は文化部と北九州市が共同でサポートする。北九州市は参加アーティストの宿舎と創作空間を提供するほか、「北九州ポップカルチャーフェスティバル」への出展、北九州市漫画ミュージアムなどの芸術・文化機構への訪問、作画PR活動など、各種交流活動も予定している。コミック・アーティスト・イン・レジデンスに参加するアーティストは、北九州市に関連するイラスト5作品を北九州市に寄贈する。このほか、国立台湾歴史博物館、台湾文化センター、北九州市漫画ミュージアムは、11月末に北九州市漫画ミュージアムで「台湾漫画史不思議旅行―貸本屋さんと漫画の100年―」展の開催を予定しており、それに合わせたコミック・アーティスト・イン・レジデンス参加アーティストらとの交流活動も予定している。

 

 

北九州市小倉駅モノレール

 

「北九州ポップカルチャーフェスティバル2019」の様子

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