NFTで物語の「二次創作権」をクリエイターに販売する実証実験を開始【100 Papageno Story】

株式会社パパゲーノのプレスリリース

辛い出来事や精神疾患・メンタルヘルス不調を経験した方のリカバリーストーリーを題材にアート・コンテンツを制作する株式会社パパゲーノは2022年11月30日、リカバリーストーリーの文章を二次創作する権利のNFTを販売し、クリエイターがNFTを購入して二次創作するモデルの実証実験を開始したことをお知らせします。

  • 「100 Papageno Story」とは

100 Papageno Story100 Papageno Story

 『100 Papageno Story(ワンハンドレッド・パパゲーノ・ストーリー)』とは、株式会社パパゲーノが運営する「100人の生きててよかった物語(リカバリーストーリー)」をアートで世界中に届けるプロジェクトです。絵本や音楽、漫画、絵画など多様な表現媒体で世界中に届けることで、日常の中でメンタルヘルスを考えるきっかけを増やし、スティグマ(偏見・差別)の解消やピアサポートの拡充に貢献することを目指しています。

また、自殺を踏みとどまった人の物語に触れることが自殺の抑止効果を持つかもしれないという「パパゲーノ効果」を実証し、拡充したいと考えています。

【100 Papageno Storyについて】
https://papageno.co.jp/100-papageno-story/
 

  • NFTを用いた実証実験の概要

これまでの「100 Panageno Story」では、株式会社パパゲーノがリカバリーストーリーを語る原案者とクリエイターに介在し、双方と制作委託契約を結んだ上で、完成した制作物の著作権を株式会社パパゲーノに譲渡し報酬をお支払いする、という運用方法となっていました。

この形式だと、単発の制作プロジェクトで終わり拡張性がない、報酬の支払いについても単発的な制作委託報酬のみになる、という課題がありました。
今後の運用に関しては、原案者がNFTを用いてリカバリーストーリーの文章を題材に二次創作する権利をクリエイターに販売することで、株式会社パパゲーノが介在せずとも二次創作が生まれる仕組みを実証実験を通して導入していきます。

NFTを用いることでクリエイターは株式会社パパゲーノを介在せずとも誰もがリカバリーストーリーの二次創作に挑戦することができます。引き続き、株式会社パパゲーノによるリカバリーストーリーを題材とした制作プロジェクトの企画運営は実施しますが、今後は株式会社パパゲーノがプロデュースしない形での創作も実現可能か検証したいと考えております。
また、二次創作後にリカバリーストーリーの二次創作権のNFTを転売することも可能になります。転売のたびに原案者にもロイヤリティが還元される仕組みとすることで、原案者にとってもクリエイターにとっても、新たな収益を生み出すことができるモデルとなっています。

実証実験の概要実証実験の概要

【実証実験の目的】
NFTという技術を用いて二次創作権を売買することで、より多くの人に多様な表現手法で、当事者のナラティブな語りやリカバリーストーリーを広めていくことができるかどうかを検証すること

【実証期間】
2022年10月24日〜2023年3月31日

【NFTの販売価格】
初期価格:0.001ETH

【NFTの出品方法】
Polygonを用いてOpenSeaで販売

【実証実験の進捗状況】
・5名の方のリカバリーストーリーの二次創作権のNFTを、NFTのマーケットプレイス「OpenSea」にて出品済
・そのうち2件のNFTについてはクリエイターが購入し二次創作プロジェクトの企画中

【出品が完了している5つのNFT】
・人は何のために生きていくのか?
https://opensea.io/ja/assets/matic/0x2953399124f0cbb46d2cbacd8a89cf0599974963/4747378406057229131395156631115479984751621725014672569883811610921510371329
・例えば、こんな解答例!?
https://opensea.io/ja/assets/matic/0x2953399124f0cbb46d2cbacd8a89cf0599974963/50950250462137841627010858516329687562816939040973937768486407820735225528321
・被爆2世として、痛みと共に生きて ~涙に虹がかかるまで~
https://opensea.io/assets/matic/0x2953399124f0cbb46d2cbacd8a89cf0599974963/15708064571050655061011369320649969112803410653268216908586080554573686112257
・絵の具を投げた日から
https://opensea.io/assets/matic/0x2953399124f0cbb46d2cbacd8a89cf0599974963/84158155468597418799893697805855601163909424895567818427910553042600352284673
・好きで嫌いだったことから学んだ、自分らしさの見つけ方
https://opensea.io/ja/assets/matic/0x2953399124f0cbb46d2cbacd8a89cf0599974963/8175322046897028705687825956772817662740262148986339149234882212342991421441
 

  • 二次創作の4コマ漫画制作プロジェクト「絵の具を投げた日から」について

絵の具を投げた日から絵の具を投げた日から

【タイトル】
絵の具を投げた日から
(4コマ漫画 / クリエイター:ももこ / ストーリー原案:手嶋真鈴)

【ストーリーあらすじ】
中学2年生のときに突然告げられた、夜逃げ宣言。ここから大人になるまでの10年間、
フラッシュバックになったり、動けなくなったり、、、苦しい中でも周りの人に手を取ってもらいながら、絵という宝物に出会うまで。1日1日もがきながらも進み続けた日々の思い出の記録です。

【制作期間】
2022年11月21日〜2023年3月31日(予定)

【ストーリー原案】
https://papageno.co.jp/stories/from-the-day-i-threw-the-paint/

【コンセプト】
今の社会にある、「メンタル不調」に対するなんとなくの怖さ。
実際にメンタル不調を経験した当事者だからこそ、その怖さを知っている。
でも、怖さを怖さのまま受け止めるのではなく、ポップに表現し、多くの人の理解が深まっていってほしい。4コマ漫画という形にすることを通して、柔らかく、社会に「メンタル不調」について知ってもらいたい。

【本4コマ漫画の制作プロセス】
ストーリーの原案者とクリエイター間で表現の細かいニュアンスや伝えたいことなどを確認していきながら制作していきます。
制作過程はパパゲーノのDiscordを用いて公開し、制作プロセスも含めて漫画を楽しんでいけるような仕掛けを作ります。

<パパゲーノのDiscordチャンネルはこちら!>
https://discord.gg/kwajsJ8NTu
 

  • 二次創作プロジェクト「絵の具を投げた日から」制作チーム

【手嶋真鈴 profile】

手嶋真鈴手嶋真鈴

手嶋真鈴(27)
「子どもたちの自信を増やす」を軸に、在学中から横浜美術館子どものアトリエにて従事。現在は、子どもとそのご家族、環境面にある社会課題の解決に。また、16歳からコーピングとして絵を描き始め、現在作品数は100作以上

<Instagram>
https://www.instagram.com/tejima_marin

【ももこ profile】

 

ももこももこ

住田桃子(28) / グラフィックレコーダー・イラストレーター
公立中学校教諭として3年勤務した後、グラフィックレコーダーと教育魅力化コーディネーターの二足の草鞋で活動中。
対話・経験・思い・ビジョンなどを、やわらかいタッチでグラフィックレコーディング・イラスト・漫画の方法でビジュアライズしています。

<note>
https://note.com/momoikuko/n/ncfd363ac8590
<Instagram>
https://www.instagram.com/mmk_english/
 

  • プロジェクト関係者からのコメント

【住田桃子 / 4コマ漫画制作プロジェクトクリエイター】
まりんさんのストーリーを伺いながら、色々な不安がある中でも前向きに進む姿・優しい感性を持っておられるところから、素直に「素敵な方だな」と思いました。
個人的には以前から「優しさ」・「その人の感じ方や捉え方」・「自信」に興味があり、そのテーマにつながるものを表現できたら…と考えていました。

今回、まりんさんのストーリーが多くの人に届き、受け取った人の心が少しでも楽になったり、柔らかくなるお手伝いができると嬉しいです。

【手嶋真鈴 / 4コマ漫画制作プロジェクト原案者】
ももこさんの温かみのある今にも動き出しそうなその絵を拝見し、私個人のストーリーが新しい姿になることにとてもワクワクしています。しんどかった高校生の時、同じ境遇の人の話に出会えず自分一人なのかと思っていました。ももこさんの命をふきこんでもらった4コマ漫画が近い境遇やその周りの人に届き、そっと寄り添えると嬉しいなと思います。

【+ new Company 代表 金井麻衣子 / 舞台脚本家】
「演劇と教育を結び付けよう」という理念のもと、2009年に+ new Company(プラスニューカンパニー)を立ち上げ、演劇で人間性を育み、社会を明るくしたい!と思って活動をしております。
「逆境を乗り越え、前向きに生きられている方のストーリーを舞台化したい」というお話を頂き、まさに、私のやりたいことのドンピシャの1つだったので、二つ返事でお受けさせて頂きました。演劇には生の感動があります。実話を演劇の中で体感し、お客様、出演者、関わるスタッフと共有することで、実際ご本人が前向きに生きられるようになったように、沢山の人の気持ちに勇気を与えられるのではないかと思っています。いまから演劇を作るのが楽しみです。

【かけるん / 絵本「飛べない鳥のかけるん」著者】
実は、私のストーリーは2次創作として、絵本「飛べない鳥のかけるん」という形になっています。人は何のために生きていくのか?という命題を元に自分のこれまでの道のりをストーリーにしました。いろんな形で、この命題を表現してほしいという思いと、当事者へのスティグマ(偏見)が少しでも少なくなる世の中になっていってほしいという想いがあります。

【kaede / イラストレーター】
生きづらさを誰に打ち明ける事なく手がかりがない中、自分なりの心の教養を身につけて強く生きる事はかなり難しい事でした。結果として統合失調症を発症したのは悲しい事ではありますが、病名がついた事で当事者文化を知り、夫とそれらを学びながらようやく明るく生きられるようになりました。人生の本番を生きているのは障害者も同じです。私達障害者の経験を皆様にお役立て頂ける株式会社パパゲーノの企画に大いに賛同いたします。

【はるのぱせり / 絵本「ドーナツのなやみごと」著者】
僕の傷ついた人生で勇気を感じてくれる誰かがいるのなら、そこへ届けたいと思っています。
きっかけは「夫婦で仕事がしたい」という夢。実現してから初めて、今まで夢をポーズですませていた自分がはずかしかった。この高揚感を伝えたい、その熱意で今、僕はここにいます。

【野間慎太郎 / 小説家】
私は精神障害になって諦めたことがたくさんあります。
けれど諦めたことがリスタートになり未来を描きなおすことができました。
どこかに就職することだけが自己実現ではなく、もっと様々な方法も取り入れることができたら、もっとたくさんの人に何かを届けることができるかもしれないと思い参加しました。
ここで私はかつて諦めた「物書き」にもう一度、挑戦してみようと思います。
挑戦できることのありがたさを今、噛みしめています。

【小池泰志 / 株式会社パパゲーノ Product Manager】
知らないことによる無意識的な偏見。自分自身、心の病に対して持っていなかったと言ったら嘘になります。
このプロジェクトに関わる中で、たくさんの人の話を聞き、それを通して自分の中の偏見も和らいでいってるのを感じています。
二次創作をしてより親しみやすい形にしていくことで、より多くの人に届き、今の社会のメンタル不調に対する偏見が少しずつ和らいでいくことを願っています。
 

  • リカバリーストーリーを二次創作で届ける意義

リカバリーストーリー(辛い経験と向き合い今を生きている人の物語)や当事者のナラティブな語りには、苦しんでいるのは自分1人だけではないと孤立感を和らげたり、辛い経験が無駄ではないと思えたり、前向きに挑戦する希望を与えたりする効果があると言われています。
多様なリカバリーストーリーを二次創作により絵画、絵本、朗読、音楽、漫画、映像など多様な表現手法で届けることは、文章だけだと届きにくい人にも届いたり、メンタルヘルス・精神疾患に無関心な人にも届きやすいという意義があります。

従来の「障がい者アート事業」の多くは、何らかの生きづらさを抱えて生きながらも、絵画などの創作スキルを持った方の作品を
「令和3年度 我が国における自殺の概況及び自殺対策の実施状況(自殺対策白書)」によると、令和3年の自殺者数は21,007人で、前年より74人(約0.4%)減少していますが、依然として高い水準となっています。自殺の背景として、自殺総合対策大綱には「自殺行動に至った人の直前の心の健康状態を見ると、大多数は、様々な悩みにより心理的に追い詰められた結果、抑うつ状態にあったり、うつ病、アルコール依存症等の精神疾患を発症していたりするなど、これらの影響により正常な判断を行うことができない状態となっていることが明らかになっている。」と記載されています。
自殺対策・自殺予防のためにはメンタルヘルスについて正しい理解を広めることや、偏見や差別(スティグマ)を解消するため辛い経験や精神疾患を経験した方と関わる機会を広めることが重要です。精神疾患に対するスティグマの解消には、「正しい知識の教育」と「当事者との接触体験」が有効だとCorrigan PW氏らの「Challenging the public stigma of mental illness: a meta-analysis of outcome studies.」にて報告されています。

 

  • 株式会社パパゲーノについて

株式会社パパゲーノは、「生きててよかった」と誰もが実感できる社会を目指して、リカバリーストーリーを絵本、音楽、絵画など多様な表現で届ける会社です。アートNFTプロジェクト「100 Papageno Story(ワンハンドレッド・パパゲーノ・ストーリー)」を運営。これまでに絵本作品の『飛べない鳥のかけるん』『ドーナツのなやみごと』、音楽作品の『物語はいつか誰かの役に立つ(線香花火)』、『君はキミでいい(サムエル・ソング)』、『05:44(庄司友里)』、絵画作品の『私は私に食べられそうだ。(EMMA)』などをプロデュース。

・株式会社パパゲーノ公式サイト
https://papageno.co.jp/
・株式会社パパゲーノ公式Discord
https://discord.gg/kwajsJ8NTu
・株式会社パパゲーノ公式Twitter
https://twitter.com/Papageno_jp
・株式会社パパゲーノ公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCkFvqoc0vCNlMQVhlFlCkWg
・事業に関する問い合わせ先
info@papageno.co.jp
 

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