株式会社飛鳥新社のプレスリリース
本書は太宰治『走れメロス』、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』、中島敦『山月記』といった教科書にも収録されている文豪の名作をモチーフにして、新進作家がホラーミステリとして現代風にアレンジした短編が収録されたアンソロジーです。
近代文学の名作も、令和の現代では仮名遣いや文章が難解だったり、当時の歴史風俗の知識が無いと読み取りづらい部分もあることから、作品の核となる部分を抽出し、ホラーミステリとして読みやすい作品に仕上げました。
本作に挑戦した作家は様々なジャンルで文学賞受賞歴もある実力派揃い。謎解きや考察をふんだんにちりばめた読み応えある作品に書き上げていただきました。
全6話の物語から構成される本作品の刊行にあたっては、小説クリエイターけんごさんに読み解くためのヒントとなる解説ページの寄稿を依頼。名著との比較や読みどころを1話ごとに丁寧に解説していただき、その面白さを紐解いてもらいました。
『名著奇変』を読んで真っ先に思ったことは、この作品は二度楽しめるということです。名作をモチーフに書かれているということは、もちろん元になった文学作品があります。(中略)つまり、読み比べができるということです。現代人に親しみやすく書かれた物語で内容を把握することにより、古典ともいえる作品を限りなく気軽に楽しめるようにしてくれているのです。(解説より一部抜粋)
けんごさんは本書を「読書のきっかけになってくれる作品」と評し、普段読書から遠ざかっている方もぐいぐい読んでいけると分析していただきました。
本書は名著の良さを味わいながら、謎解きやホラーも満喫できる新感覚の小説です。短編小説なので、朝読やスキマ時間で読破できるのも魅力です。
【収録作品】
●「SNSの中の手紙」 柊サナカ Feat.葉山嘉樹『セメント樽の中の手紙』
●「影喰い」 奥野じゅん Feat.谷崎潤一郎『陰翳礼讃』
●「Under the Cherry Tree」 相川英輔 Feat. 梶井基次郎『櫻の樹の下には』
●「カムパネルラの復讐」 明良悠生 Feat. 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
●「せりなを書け」 大林利江子 Feat. 太宰治『走れメロス』
●「山月奇譚」 山口優 Feat.中島敦『山月記』
【著者プロフィール】
柊サナカ(ひいらぎ・さなか)
香川県生まれ。日本語教師として七年間の海外勤務後、第11回このミステリーがすごい!大賞隠し玉の『婚活島戦記』にて2013年デビュー。谷中レトロカメラ店の謎日和シリーズ、天国からの宅配便シリーズなど著書多数。
趣味のフィルムカメラが高じて、暗室でプリントも行う。カメラ誌でも連載中。
奥野じゅん(おくの・じゅん)
神奈川県川崎市生まれ。2020年、第6回角川文庫キャラクター小説大賞優秀賞を受賞し、翌年デビュー。著作に『江戸落語奇譚』シリーズと『雨月先生は催眠術を使いたくない』、ボイスドラマ『八日後、君も消えるんだね』などがある。
相川英輔(あいかわ・えいすけ)
1977年生まれ。西南学院大学大学院修了。2013年坊ちゃん文学賞佳作、15年福岡市文学賞小説部門を受賞。著作に『雲を離れた月』(書肆侃侃房)、『ハンナのいない10月は』(河出書房新社)など。
明良悠生(あきよし・はるき)
大学院にて心理学を学ぶ。公認心理師資格を取得し、児童心理司として児童相談所に勤務している。心理司の経験を生かしながら精力的に執筆活動を行う。子育てにも奮闘中。本書がデビュー作となる。
大林利江子(おおばやし・りえこ)
愛知県出身。第2回「TBS連ドラ・シナリオ大賞」グランプリ受賞を機に、脚本家デビュー。テレビ、ネットフリックスでの脚本担当作品は多数。函館港イルミナシオン映画祭第23回シナリオ大賞グランプリ受賞。その内容を小説化した「副音声」を2022年3月に刊行し、作家デビュー。
山口優(やまぐち・ゆう)
1981年生まれ。東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了。現在、研究職。2009年、『シンギュラリティ・コンクェスト』で第11回日本SF新人賞を受賞しデビュー。2011年には『アルヴ・レズル -機械仕掛けの妖精たち-』が第7回BOX-AiR新人賞を受賞、アニメ化。2022年『星霊の艦隊』シリーズを刊行。
<商品概要>
●商品名:『名著奇変』
●著者:柊サナカ・奥野じゅん・相川英輔・明良悠生・大林利江子・山口優
●判型・総ページ:四六判/240ページ
●定価:1210円(税込)
●発売日:2023年6月1日(木)
●出版社: 株式会社飛鳥新社
【出版社情報】
株式会社 飛鳥新社
所在地:東京都千代田区一ツ橋2-4-3 光文恒産ビル2F
■飛鳥新社ホームページ
■飛鳥新社公式ツイッター
https://twitter.com/ASUKA_SHINSHA
■飛鳥新社公式インスタグラム