hontoPR事務局のプレスリリース
●完結済みのタイトルがメディア化により注目が高まる
●「令嬢」が女性コミックの人気キーワード
●Z世代注目の少年コミックは『ブレス』、青年コミックは『星屑家族』
大日本印刷株式会社(DNP)が株式会社丸善ジュンク堂書店、株式会社文教堂及び株式会社トゥ・ディファクトと共同で運営するハイブリッド型総合書店「honto(https://honto.jp/)」は、honto電子書籍ストアの販売データをもとに2023年上半期(1月~6月)の電子書籍コミックのヒットと2023年下半期の注目タイトルの調査を実施しました。調査は、電子書籍コミック5ジャンルを対象として全体とZ世代のコミックタイトル毎の販売数の伸長率と販売冊数順位を分析。その結果をランキングとともに発表します。
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2023年上半期ヒットタイトルと下半期の注目タイトル
▼少年コミック
1位は『あかね噺』です。2022年に『週刊少年ジャンプ』で連載が始まった本作は、現在6巻まで刊行されています。破門された落語家の父の雪辱を果たすため、主人公の朱音(あかね)が落語界のトップ「真打」を目指す物語です。落語への熱量とストーリーのスピード感にバトル要素を感じ、落語好きはもちろん、落語の知識がなくても楽しめます。
2位以下はすべてアニメ化されたタイトルが並びました。3位の『地獄楽』は2021年に『少年ジャンプ+』での連載が終了している作品です。2023年4月にテレビアニメが放送され、コミックスの販売が好調でした。13巻で完結しているので、一気読みができるのも魅力です。4位は「小説家になろう」に連載されているライトノベルのコミカライズ版『実は俺、最強でした?』がランクイン。7月からテレビアニメの放送が開始されたばかりです。
下半期の注目タイトルは、『ブレス』、『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』、『正反対な君と僕』の3タイトル。どのタイトルも連載開始から約1年程で今後の人気の高まりに期待です。
▼少女コミック
少女コミックは完結済みのタイトルのヒットがみられました。まず1位は『王様に捧ぐ薬指』です。2023年4月に橋本環奈さんと山田涼介さん主演でドラマ化された本作は約5年前の2018年に全8巻で完結。ドラマ化によって原作の注目が高まったようです 。3位の『LIFE SO HAPPY』は小学5年生の茜ちゃんと葵くんという双子が主人公。全4巻で完結済みです。本作は2015年に17巻で完結した『LOVE SO LIFE』の続編です。主人公の茜ちゃんと葵くんは前作の初登場時2歳だったので、シリーズの読者はふたりの成長を嬉しく感じたことでしょう。4位『ミオの名のもとに』は人魚の「能力」をもつミオが主人公のファンタジー。まんが雑誌『りぼん』で連載され、2023年3月に7巻で完結しました。
注目タイトルは『天幕のジャードゥーガル』(https://honto.jp/ebook/pd_31850004.html)です。13世紀のモンゴル帝国が舞台の歴史まんがで現在2巻まで発行されています。hontoの読者レビューでは「久しぶりに続巻が楽しみなコミックスに出会えてうれしいです。読み応えもあるし、楽しいし。中央アジア好きにはたまりません。」や「かわいらしい絵柄とは打って変わって歴史準拠な骨太な作品がやってきましたね・・・!」などの声が寄せられています。
▼青年コミック
1位は2022年10月~12月にアニメが放送された『ぼっち・ざ・ろっく!』です。アニメ人気の好影響でコミックの売上が急上昇した日常系四コマまんがです。友達ゼロの“ぼっち”の後藤ひとりちゃんが主人公。暗い人間でも輝ける術としてギター練習に没頭しているうちに中学時代が終了…ですが、高校でバンドメンバーと出会い少しずつ成長していきます。近夏には舞台化が控えています。3位、4位、5位はメディア化タイトルです。『BLUE GIANT』はひとりの男子高校生がジャズに出会い、サックスを吹き始めるという物語。2023年2月に劇場アニメが公開され、話題を呼びました。コミックスは仙台・東京を舞台にした『BLUE GIANT』、ヨーロッパ各地を舞台とした『BLUE GIANT SUPREME』、アメリカが舞台の『BLUE GIANT EXPLORER』を経て2023年7月からニューヨークを舞台とした新シリーズ『BLUE GIANT MOMENTUM』の連載が『ビッグコミック』で始まりました。
注目タイトル『平和の国の島崎へ』(https://honto.jp/ebook/pd_32185409.html)は2022年8月に連載が始まり、現在2巻まで刊行されています。幼少期にテロ組織に拉致され、戦闘工作員となった島崎真悟が日本で平和な生活を手に入れようとする日常の様子がほのぼのする一方で、緊張感ある戦闘の様子などハラハラする描写もあります。『唸りながら再読もしました。嗚呼、第3巻が待ち遠しい。』、『普段の生活のすぐ裏にある、危うい世界を存分に描いていてとても面白い。』などのレビューが寄せられています。
▼女性コミック
女性コミックは2023年下半期注目タイトルも含め5タイトルに「令嬢」が主人公のタイトルがみられます(2位、3位、4位、注目1位、注目3位)。数年前に悪役令嬢から始まった令嬢ブームの人気はまだまだ健在です。
その中でのヒット1位は『月読くんの禁断お夜食』です。2023年4月にドラマ化されたことで販売数を伸ばしたと思われます。honto読者レビューでは、「読みながら、温かい料理を誰かに作ってもらいたいと思いました。元気や勇気をもらえる内容だと思います。」、「私の家にも月読くん来てほしい!そんな展開です。」、「グルメ系漫画、ストーリーがしっかりしてる系、少女漫画が好きなので全部揃っている欲張りセットという感じです。」と評価が寄せられています。
注目タイトル『クジャクのダンス、誰が見た?』(https://honto.jp/ebook/pd_32073058.html)はドラマ化もされた『イチケイのカラス』の著者・浅見理都さんが描くサスペンス。殺害された元警察官の父が遺した手紙を頼りに、弁護士と共に真犯人を探す主人公の心麦。主人公以外の登場人物が全部怪しい…!小麦とともに読者も翻弄されてしまいます。
▼BLコミック
BLコミックの販売伸長率1位は『リセット』です。『リセット』シリーズの完結巻『リブート(下)』が2023年4月に刊行されたことでシリーズ第1巻の販売数が大きく伸びました。2位の『恋には向かない職業』は2018年から続く人気シリーズ。2023年1月にシリーズのスピンオフ『嘘には向かない職業』の上下巻が発売されました。3位『結んだ恋の伝え方』も『赤い糸の執行猶予』から始まる『赤い糸シリーズ』のスピンオフタイトルです。スピンオフは本編での紆余曲折を経て結ばれたパートナーの様子が描かれることがあり、幸せな様子が読めるなど人気が高いようです。
注目タイトルは『ENNEAD』(https://honto.jp/ebook/pd_32587400.html)です。エジプトの神話を題材にした韓国発のタイトルです。タイトルの『ENNEAD』はギリシア語で「九人組」を意味し、エジプト九柱の神や女神が登場します。登場人物を覚えるのが少し大変…というレビューもありますが、配信話の最後に相関図が掲載されているので確認しながら読み進めることができます。電子書籍で話単位で販売しており、現在113巻(第2部37話)まで配信しています。
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Z世代 2023年上半期ヒットタイトルと下半期の注目タイトル
Z世代調査では、少年コミックのヒットタイトルは『お兄ちゃんはおしまい!』です。2023年1月にテレビアニメが放送されました。少女コミックのヒットタイトルには『メイちゃんの執事DX』が登場。前作『メイちゃんの執事』の続編で、2023年6月に20巻で完結しました。
青年コミック2位の『ガンニバル』は山間の村「供花村」を舞台にしたサスペンスで、2022年に13巻で完結しています。動画配信サービスで実写ドラマ化されたことで原作コミックの売上が好調だったようです。女性コミックの1位は『プライド』です。ライバル関係にある2人の主人公の緊張感ある関係と成長が魅力的な一条ゆかりさんの作品で、2010年に全12巻で完結しています
BLコミック1位の『おれの初夜は何度あってもいい』は電子書籍で毎月話配信されているタイトルです。現在14話まで配信されています。
注目タイトルは青年コミック以外はすべて全世代調査と同じタイトルという結果でした。青年コミックの注目タイトルは『星屑家族』(https://honto.jp/ebook/pd_32305732.html)です。「家族になること、親になること、そして子どもらしく在れる環境の難しさを学んだ気がします。」というレビューがよせられた、子どもを持つ事が免許制になった社会を描いたSFファミリーストーリーです。
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<調査方法>
honto電子書籍ストアの販売データをもとにコミック5ジャンル(少年・青年・少女・女性・BL)の販売冊数を100位まで集計。ベストヒットは2022年上半期の販売実績から2023年上半期の販売実績の伸長率順位と販売冊数順位でランキングを選出。2023年下半期の注目タイトルは2023年上半期に販売実績100位内に初出タイトルの販売実績から選出。Z世代は誕生日が1995/1/1~2004/12/31※1の会員の購買データを集計し同調査方法で選出。
(無料作品やキャンペーンなどでの無料販売期間の販売冊数は除きます。)
<調査データ期間>
2022年上半期販売実績:2022年1月1日~2022年6月30日
2023年上半期販売実績:2023年1月1日~2023年6月30日
<ジャンル、タイトル名について>
hontoの保有情報に準じています。
※1 日本経済新聞 「「Z世代」を定義したのは誰か 世代とITの深い関係」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC274GS0X21C21A2000000/ (参照 2022-12-02)
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●本調査をご利用いただく際は、「ハイブリッド型総合書店honto調べ」と記載ください。
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■ハイブリッド型総合書店「honto」について
「honto」は、ネット書店(本の通販ストア、電子書籍ストア)と、丸善、ジュンク堂書店、文教堂などのリアル書店を連携させた総合書店として2012年5月にサービスを開始しました。
ネット書店とリアル書店共通で利用できるhontoポイントサービスは、啓林堂書店、戸田書店(9店舗)、函館栄好堂 丸井今井店など全国各地のリアル書店を加え、現在約180店舗で展開しています。
2023年7月現在、会員数800万人を突破しており、「読みたい本を、読みたい時に、読みたい形で」提供するサービスで本を愛する人をサポートしています。
・ハイブリッド型総合書店「honto」公式サイト:https://honto.jp/
・リアル書店の在庫検索アプリ「honto with」https://honto.jp/store/hontowith.html
・公式Twitter:https://twitter.com/honto_jp
<大日本印刷株式会社 会社概要>
・会社名:大日本印刷株式会社(Dai Nippon Printing Co., Ltd.)https://www.dnp.co.jp/
・社長:北島 義斉
・所在地:〒162-8001 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
<株式会社トゥ・ディファクト 会社概要>
・会社名:株式会社トゥ・ディファクト(2Dfacto, Inc.) https://www.2dfacto.co.jp/
・社長:鈴木 一光
・株主:大日本印刷株式会社
・所在地:〒162-8001 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号