小川洋子原作、山村浩二監督のVRアニメーション『耳に棲むもの』がオタワ・アニメーション国際映画祭2023 VR部門最優秀賞を受賞!

株式会社講談社のプレスリリース

講談社(以下当社)が製作したVRアニメーション『耳に棲むもの』(以下本作)がオタワ・アニメーション国際映画祭2023でVR部門最優秀賞を受賞しましたことをご報告申し上げます。

オタワ・アニメーション国際映画祭2023

受賞作品:『耳に棲むもの』(監督:山村浩二、原作:小川洋子)

受賞: VR部門最優秀賞

【山村浩二監督 受賞コメント】

「この度はVR部門最優秀賞をいただき大変ありがとうございました。この『耳に棲むもの』は、私の初のVR監督作品で、審査員の皆様、映画祭運営の皆様、そして観客の皆様に感謝いたします。オタワ国際アニメーション映画祭には、何度も参加していますが、その都度様々な刺激を受けてきました。今回、残念ながら現地には行けなかったのですが、これまでの思い出とともに、オタワでの受賞を噛み締めています。『耳に棲むもの』は2年の歳月をかけ、原作の小川洋子さんはじめ、多くのスタッフによって形になった作品で、全ての制作スタッフの皆様とこの受賞の喜びを分かち合いたいと思います。ありがとうございました。」

山村浩二は、オタワ国際アニメーション映画祭において、2021年『幾多の北』が長編グランプリ、2020年プロデュース作品『骨嚙み』(矢野ほなみ監督)が短編グランプリ、2007年『カフカ 田舎医者』が短編グランプリ、1999年『どっちにする?』がこども映画最優秀賞を受賞している。

【石丸健二プロデューサー 受賞コメント】

この度は、プロジェクトに関わったすべての人の代表として幸運にもトロフィーを受け取ることができました。本当に幸せな時間でした。山村浩二監督、原作・脚本の小川洋子さんをはじめ、作品を作り上げたすべての方々に、このような機会を与えてくれたことを感謝し、同時に祝意を送りたいと思います。また、今回映画祭に初めて参加させていただき、この映画祭のおもてなしのすばらしさ、集まるコンテンツのクオリティーの高さに驚きました。このような素晴らしい映画祭を続けている関係者の皆様にも心から感謝したいと思います。

【『耳に棲むもの』について】

本作は、芥川賞作家で紫綬褒章受賞の小川 洋子がVR作品のために書き下ろしたオリジナル原作をもとに、アカデミー賞ノミネートアニメーション作家で同じく紫綬褒章受賞の山村 浩二がVR映画化した、画期的かつ野心的な作品です。独特の世界観を持つ二人の巨匠が2年の歳月を掛けてVRというメディアでしか味わえない作品を完成させました。今後は世界中で体験していただけるようにVR部門のある主要国際映画祭にエントリーしていく予定です。

【あらすじ】

孤独な少年の耳に棲むものとは? そしてなぜ少年の耳に!?

その少年は、毎日土を掘っては、そこで見つけたものをクッキー缶の中に集めていた。そして少年のノートには、彼の人生と、拾い集めた物たちが発する孤独な声たちが記録されていた。そんな彼の耳の奥には、4人の音楽隊と、レース状の偕老同穴に住む2匹のエビが住んでいた。彼らは、少年が涙を流すたびに演奏とダンスをして少年を励ましてくれた。彼はお礼に、拾ったものが入ったクッキー缶を振る。そうやって少年は成長していった。成人した少年は補聴器を売るセールスマンになり、孤独な声を拾い集めることも涙を流すこともなくなっていた。ある日、彼はTVのニュースで見た、日系人強制収容所で見つかった手製の小鳥のブローチに魅了され、少年の頃を思い出し、再び孤独な声たちを拾い集める旅に出る。そこで彼が出会ったものは…?

【作品概要】

・作品名:耳に棲むもの(My Inner Ear Quartet)

・製作年:2023年

・作品尺:約35分

・ジャンル:VRアニメーション

・言語:日本語・英語

・企画・制作:講談社VRラボ

・製作:講談社

・配信:本作は国内外の映画祭にエントリーを優先するため、配信時期は未定です

【メインスタッフ】

監督:山村浩二

原作:小川洋子

脚本:小川洋子・山村浩二

プロデューサー:石丸健二

CGディレクター:Gee Yeung

音楽 : 上野耕路

音響監督:太田昌孝

【メインキャスト(日本語/英語)】

男:岡⽥将⽣/Daman Mills

少年:川口調/Nicholas Young

【監督 山村浩二(ヤマムラコウジ)について】

『頭山』(02)が第75回アカデミー賞にノミネート、アヌシー最高賞はじめ、6つのグランプリを受賞、長編『幾多の北』(21)がアヌシー最高賞、映画祭受賞は130を超える。紫綬褒章受章。東京藝術大学教授。

【原作者 小川洋子(オガワヨウコ)について】

1962年 岡山市生まれ 早稲田大学第一文学部文芸科卒

1988年『揚羽蝶が壊れる時』で海燕新人文学賞を受賞してデビュー。

主な著書『妊娠カレンダー』、『博士の愛した数式』、『密やかな結晶』、『ことり』、『掌に眠る舞台』など。最新刊はエッセイ集『からだの美』(文藝春秋社刊)

【株式会社講談社VRラボについて】

2017年10月に、当社と国内最大手のデジタルアニメーションスタジオであるポリゴン・ピクチュアズにより設立されたVRを中心とした新しいエンターテイメントを企画・研究するスタジオです。最新のテクノロジーを最大限生かしたコンテンツとは何か?を探求し、それを形にして世界に向けて発信して参ります。

代表取締役:石丸健二

URL:kodanshavrlab.com

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