ヤマザキマリ&とり・みき『プリニウス』が第28回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞!

古代ローマを描いたマンガ『プリニウス』(全12巻)が、第28回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しました。

株式会社新潮社のプレスリリース

ヤマザキマリ&とり・みきのコンビによる合作マンガ『プリニウス』(全12巻)が、第28回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞したことが本日発表されました。古代ローマを生きた博物学者プリニウスの生涯を描いたこの作品は、昨年7月に最終巻となる第12巻を刊行。古代ローマの風景や生活から、皇帝ネロや名将コルブロといった人物まで、史実をもとにしながら自由な想像力と圧倒的な画力で2000年前の世界を描く、歴史伝奇ロマンの決定版です。同書は、他ではあまり見られない「マンガ家同士の合作」というスタイルを採用、その意味でも貴重な作品です。すでにフランスやイタリアをはじめとする各国で翻訳・刊行、世界の注目も集めています。

【プリニウスとは?】

本名は、ガイウス・プリニウス・セクンドゥス。古代ローマを生きた、史上もっとも有名な博物学者。ローマ艦隊の司令長官も務める。自然、動植物、文明などの森羅万象を網羅した『博物誌』を書き遺した。同書は、ヨーロッパで「古典中の古典」として知られ、後世の知識人たちにさまざまな影響を与えた。

マンガ「プリニウス」は、その博物学者を主人公にした物語。『博物誌』執筆のために、書記のエウクレスや護衛のフェリクスらと共に、ローマ帝国や地中海周辺、アフリカを旅するプリニウス。古代ローマ時代の風景や風俗、人々の生活ぶりなどを活写、ローマのコロッセオ、アレクサンドリアの巨大図書館、クレタ島の迷宮など、現在の「世界遺産」も続々と登場します。一方、当時の皇帝だったネロも超重要人物として登場。「悪徳皇帝」という世評に対して、新たなネロ像を打ち立てています。史実をもとにしながら、自由な想像力と圧倒的な画力で魅惑の古代ローマ世界を描く、歴史伝奇ロマンの決定版です。

著者コメント

ヤマザキマリ

『テルマエ・ロマエ』の連載中から次作として描こうと決めていた大プリニウスですが、彼が生きた二千年前の世界や思想を二次元でどう蘇らせるか、読者にどれだけ興味を持ってもらえるか、まるで古代ローマからの使命を司っているような気持ちで描いてきた立場として、今回の賞は大変栄誉なことです。全ての道、つまり漫画の道もまた「ローマに通ず」。

 

とり・みき

物心ついたころ、最初に「面白くて怖くて、でも切ない不思議なマンガ」と認識したのが鈴木出版版手塚治虫全集の『大洪水時代』と『太平洋X點(ポイント)』のカップリングでした。やがてそのひねた少年は長じてマンガ家になるわけですが、そのきっかけになった新人賞の審査員の一人が手塚治虫でした。めぐる因果を喜ばないわけがありません。

 

■書籍内容紹介

世界史的名著『博物誌』を著し、79 年のヴェスヴィオ火山噴火の影響で逝去した博物学者・プリニウスの生涯をえがく。古代ローマの風景や生活から、皇帝ネロや名将コルブロといった人物まで、史実をもとにしながら自由な想像力と圧倒的な画力で2000年前の世界を描く、歴史伝奇ロマンの決定版!

■著者紹介

ヤマザキマリ

漫画家・文筆家・画家。1967年東京都出身。東京造形大学客員教授。84年よりフィレンツェ国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻。『テルマエ・ロマエ』でマンガ大賞2010、第14回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。著書に『ヴィオラ母さん』『扉の向う側』『貧乏ピッツァ』『続 テルマエ・ロマエ』など。

 

とり・みき

マンガ家。1958年熊本県生まれ。79年デビュー。94年『DAI-HONYA』、98年『SF大将』で星雲賞、95年『遠くへいきたい』で文藝春秋漫画賞を受賞。著書に『クルクルくりん』『愛のさかあがり』『石神伝説』といったマンガ作品の他に、『街角のオジギビト』などの研究書もある。

■書籍データ

【タイトル】『プリニウス』(全12巻)

【著者名】ヤマザキマリ、とり・みき

【発売日】2014年7月~2023年7月

【造本】コミックス

【定価】726~814円(税込)*2024年4月22日現在

【ISBN】978-4107717573(第1巻)

【URL】https://www.shinchosha.co.jp/plinivs/

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