『いなくなれ、群青』『昨日星を探した言い訳』の著者、新境地
株式会社KADOKAWAのプレスリリース
株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区)は、河野裕氏の最新小説『彗星を追うヴァンパイア』を2024年8月29日(木)に発売しました。
ファンタジーであり、科学小説であり、歴史小説でもある本作の舞台は、17世紀のイングランド。科学を信奉する青年オスカーと、あらゆる物理法則を逸脱する未知の存在アズ・テイルズの出会いから始まる物語です。「この世界には未知がある。けれど人類は、その未知を既知とする術を知っている」(本書より)。人類の叡智と学問をめぐる壮大な〈空想歴史小説〉にご注目ください。
著者コメント
これはある若い学者の前に、ヴァンパイアという「未知」が現れる物語です。
そして学者が未知を愛し、未知もまた学者を愛する物語です。
人類は遥か過去から、今もまだ、愚直に「知りたい」と願い続けているのだと思います。
その美しい欲求が描けていると嬉しいです。
――河野裕
全国の書店員さんから早くも大反響!
唯一無二の彗星が煌めく、永遠の生命を感じる友情小説。
読後も、異なる世界の、2つの魂が重なり合い、昇華していくようなラストに、
愛しみの涙が滲みました。
私にとって本作は、暗闇に彷徨っていた大切な心を見つける、穏やかな光の物語でした。
胸が高鳴り震えるほど、本当に素晴らしかったです!
――紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん
私たちのずっと追い続けている人類の希望が、壮大なスケールで描かれていて、すっかり虜になりました。科学者とヴァンパイアの友情のなかで、手に入らない何かが自分の中に宿り、この気持ちに驚き、そのものを大切にしたいと思いました。
少しのずれから生じる驚き、美しさ、知りたいということは、彗星を追うように人類にとって、かけがえのない未知の夢で希望でもあると思いました。
人類をもっと期待したい、愛したいと思いました。
――ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真理さん
ニュートンやコペルニクスのようにその名を残したもの、あるいはオスカーのような名も無き人々の思考の歩みがずっとずっと昔から今まで続いていて、そしてこの先につながっていくと信じられることがとても嬉しい。
手を伸ばす人の可能性がまぶしくて泣きたくなる。
――書泉ブックタワー 山田麻紀子さん
自然科学とヴァンパイアなんて両極端にある存在だと思っていた。
科学を信じ、人を信じ、その先の積み重なる哀しみを越えて、美しい記憶を未来に繋げる長い数式に今も酔いしれ続けている。
――ブックマルシェ我孫子店 渡邉森夫さん
ヴァンパイアであるアズが愛する、人の学問への枯れることのない探究心。その軌道に魅せられて、読み続けました。
読み終わった今、アズを怪物とは言いたくない自分がいます。人間より人間らしい情愛とひたむきさを持ったかけがえのない存在。アズが心穏やかに過ごせますようにと願う。
――文真堂書店ビバモール本庄店 山本智子さん
最新作『彗星を追うヴァンパイア』について
◆あらすじ
未知を愛した青年、人間を信じた怪物。
魔術が終わる時代に、ふたりは戦場で出会った。
17世紀、イングランド。母と暮らした幼い頃から、オスカーの願いは〈世界のルールを解き明かす〉ことだった。数学の才を持つ彼は、ケンブリッジ大学でニュートンに師事する。けれど、王位継承を巡る反乱が勃発し、戦場へ。窮地に陥った彼の命を救ったのは、人知を超えた力を操る謎の男、アズ・テイルズだった。物理法則に従わない未知の存在を解き明かそうとするオスカーと、自分が解き明かされる日を待ち続けるアズ。ふたりの出会いが、人類の〈科学〉と〈戦争〉の歴史を動かす。
◆書誌情報
発売日:2024年8月29日(木) ※電子書籍同日配信
定価:1,870円 (本体1,700円+税)
頁数:384頁
装丁:川谷康久
装画:syo5
地図製作:Office STRADA
体裁:四六判並製 単行本
ISBN:9784041149607
初出:「小説 野性時代」 2024年3月号~9月号
発行:KADOKAWA
書誌情報ページ:https://www.kadokawa.co.jp/product/322401001051/
◆著者プロフィール
河野 裕(こうの ゆたか)
徳島県生まれ、兵庫県在住。2009年角川スニーカー文庫より『サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY』でデビュー。『昨日星を探した言い訳』で山田風太郎賞候補、『君の名前の横顔』で読者による文学賞受賞。主な著作に「サクラダリセット」シリーズ、『ベイビー、グッドモーニング』、大学読書人大賞を受賞した『いなくなれ、群青』からはじまる「階段島」シリーズ、「架見崎」シリーズ、『愛されてんだと自覚しな』がある。