2020年代以降の推移や2025年の特徴から、IPビジネス視点でテレビアニメ市場構造を読み解く
株式会社ソケッツのプレスリリース
株式会社ソケッツ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:浦部 浩司、以下「ソケッツ」)は、2020〜2025年にテレビ放送された国内アニメ作品1,378タイトルを対象に、自社独自のデータベース「MSDB」と感性AI技術を活用したアニメ市場構造分析を実施しました。
本リリースでは、市場を構成する主要な作品タイプおよびIPビジネスの観点から読み取れる市場構造についてご紹介します。
▼目的
2020年代以降の推移や2025年の特徴から、IPビジネス視点でテレビアニメ市場構造を読み解く
▼調査概要
– 対象期間:2020〜2025年
– 対象作品数:1,378作品
※シーズン単位で1作品として扱う(シーズンごとにストーリー展開に合わせた特徴データを記録しているため)
※特別版などの本編でない作品は除外
– 対象データ:テーマ、キーワード等(MSDB独自データ)
▼分析手法
BERTopicによるトピックモデリング
▼Chapter
– テレビアニメ市場をIPビジネス観点から読み解く
– 1,378のアニメ作品を分類
– 2020年以降の推移(構造の変化)
– 2025年の特徴・傾向
– IPビジネスにおける視点の広がり
レポートの全容につきましては、以下よりご覧いただけます。
テレビアニメはどこへ向かうのか – IPデータテックによる市場分析 –
テレビアニメ市場をIPビジネス観点から読み解く
1. 市場を支える「量の柱」と「信頼のインフラ」が明確に二極化している
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量を支える柱 → レベルアップ体験型ファンタジー・アクションIP
供給数が多く、世界観も広く展開できるため、配信市場の“豊富なラインナップを求める視聴ニーズ”を支えている。
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信頼を支えるインフラ → 常設日常・ファミリー枠
放送・配信における継続視聴を担保し、“市場の安定性”の核となるカテゴリー。
この二軸が、現在のアニメ市場の土台となっていると思われます。
2. ジャンルにとらわれないテーマデータから視聴者の“体験設計”の仮説を立てることができる
従来型ジャンルでは捉えられないのは、
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学園でも恋愛でもファンタジーでもないキャラクター主導・感情没入型エンタメの成長
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“異世界”では捕捉しきれないレベルアップ体験型ファンタジー・アクションIP的体験を提供する作品
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ギャグ要素の強い気軽に楽しめるファミリー・常設日常コンテンツ作品
などが多数存在します。
視聴者にとって重要となってくるであろう「どんな体験を得たいか」は、ジャンル(形式)ではなく文脈(体験価値)が意思決定の主軸になる可能性を秘めていると考えられます。
今回の分析結果から“視聴者が求める体験価値”にそれぞれ翻訳し、IPビジネスとしてどう活用できるかを考察した結果をまとめると以下のように読み解くことができそうです。
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T1:キャラクター主導・感情没入型エンタメ |
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“キャラに寄り添い、感情で楽しむ”体験軸 |
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・いわゆる既存の学園でも恋愛でもなく「キャラクターの感情世界に浸りたい」という需要 ・2023年以降、最も拡大している“没入型エンタメ”の中核 |
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T2:レベルアップ体験型ファンタジー・アクションIP |
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「成長・成果・カタルシスの獲得」体験に特化 |
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・異世界であることは手段となり、目的は“進化体験の快感” ・ゲーム体験的で、視聴者の成功欲求を満たす市場最大規模の柱 |
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T3:ファミリー・常設日常コンテンツ |
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“安心と継続性”を提供するインフラ枠 |
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・子供向けから大人の日常癒やしまで広がり、テレビ放送の基盤 ・コンテンツ供給の安定性が高く、ブランド力を支える |
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T4:音楽IP連動・パフォーマンス型作品 |
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ライブ/音楽活動と直結する“能動的参与型”体験 |
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・視聴後の行動(ライブ・推し活・SNS)が価値の中心 ・メディアミックスとの親和性が非常に高い領域 |
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T5:ギャグ要素で軽さを演出・長寿ブランド枠 |
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“気軽に見たい、テンションを上げたい”需要の受け皿 |
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・トーンの軽い作品・長寿IPの安定枠 ・作品単位で支持は強いが、市場全体ではニッチ |
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T6:ルール理解型・ゲーム連動コンテンツ |
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“戦略的思考×ゲーム性”が体験価値 |
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・視聴者が参加する余白のある、メディアミックス向け領域 |
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T7:ヒーロー叙事・王道バトルIP |
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“世代を超えて続く王道バトル体験”の中心 |
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・ジャンプ系・少年漫画の伝統的文脈 ・大型シリーズの下支えに |
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T8:生活最適化・ファンタジー日常 |
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“願望充足×生活改善”ニーズ |
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・ストレスの少ない世界観で、生存戦略が簡略化された物語需要 |
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T9:変身ヒロインIP |
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“儀式性”と“成長ロールモデル”を提供する独立生態系 |
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・ファミリー・女児層を中心とした継続的な支持 ・完全に独立した市場構造 |
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T10:反抗青春・ハードストーリー |
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“葛藤・暴力・青春の衝突”の熱量を求める層へ |
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・数は少ないが、刺さる層には極めて強い中毒性 ・古くから一定数存在するが、2020年代前半でいえば『東京リベンジャーズ』以降、確立した枠組み |
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T11:競技成長型熱血スポーツ |
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“チーム・成長・努力”の王道体験 |
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・若年層へのリーチが強い ・作品数は少ないが、ヒット率が高い |
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T12:ジャンル横断・高個性作品群 |
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“枠を超えた挑戦領域”=次世代トレンドの源泉 |
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・実験的・複合ジャンル ・新主流になりうる“変異株” |
レポートの全容につきましては、以下よりご覧いただけます。
https://www.sockets.co.jp/kansei/kansei_report10.html
ソケッツでは、新たなエンターテイメントの発掘や創出から制作支援、マーケティング支援、コラボレーション支援まで、IPコンテンツを制作する、広める、使う、という幅広い段階で利活用とするエンターテイメントに特化したDMP(データマネジメントプラットフォーム)の開発を進めています。
IPをつくる・IPを広げる・IPを使うみなさまに対して、そして次世代のクリエイターの役に立ち、IP立国日本のコンテンツ産業の大きな発展への貢献を目指しています。
■メディアサービスデータベース(MSDB)とは ソケッツが開発した音楽、映像、書籍、放送、人物、一般商品情報などを体系的かつ特徴情報を詳細に分類した国内最大級のエンターテイメントデータベース。 作品の基本情報や関連情報・付帯情報等に加えて、人の感性や感情を捕捉した独自データ「感性メタデータ」により、サービス利用者や顧客の好みのより深い理解やつながり情報によるセレンディピティを創出します。
株式会社ソケッツ:(https://www.sockets.co.jp/)(証券コード:3634)
ソケッツは、独自のメタデータと感性AIを活用したデータサービス会社です。
日本のエンターテイメント・コンテンツに関する統合的なデータベースとして、世界でも有数の質と量となってきております。現在、KDDI、NTTドコモ、LINE MUSIC、レコチョク、楽天グループ、HJホールディングス(サービス名「Hulu」)などが運営するエンターテインメント関連サービス向けにデータ関連サービスを提供しています。さらに、集英社、ハースト婦人画報社、CEメディアハウスなどと連携して、感性データと感性AIを活用したインターネット広告・感性マーケティングサービスを行っております。
本リリースに関するお問い合わせ先:
株式会社ソケッツ コーポレートプランニング室 IR 担当
〒150-6036 東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー36階
E-mail:ir@sockets.co.jp