【幻想文学最深奥の短篇作家】シュオッブ初の文庫化/新訳5編を含むオリジナル傑作選『黄金仮面の王』(河出文庫)早くも重版3刷! 大ヒット御礼、西崎憲 新訳「地上の大火」一篇全文を公開中!

古今東西の歴史・神話・芸術・哲学への驚異的博識のもと、硬質で緻密な幻想世界を創り上げ、澁澤龍彦、江戸川乱歩、倉橋由美子、ボルヘス、ボラーニョなど、錚々たる作家たちが影響を受けた。

河出書房新社のプレスリリース

株式会社河出書房新社(東京都新宿区/代表取締役 小野寺優)は、マルセル・シュオッブ著『黄金仮面の王』(河出文庫、2026年3月6日発売、税込価格1,430円)について、4月6日出来の3刷重版を決定しましたのでお知らせいたします。

●マルセル・シュオッブ『黄金仮面の王』(河出文庫)目次

金の仮面を纏う病める古代の王、遥か未来の燃え盛る終末世界……

ボルヘスや澁澤龍彦に影響を与えた〈象徴主義世代の中で最も優れた短篇作家〉待望の文庫オリジナル傑作選。

新訳5編を含む全22編を収録。

地上の大火      西崎憲訳 *
黄金仮面の王     多田智満子訳
キャプテン・キッド  大濱甫訳
卵物語        多田智満子訳
未来のテロ      大濱甫訳
エンペドクレス    大濱甫訳
バーク、ヘアー両氏  大濱甫訳
ペスト        多田智満子訳
顔無し        大濱甫訳
眠れる都       西崎憲訳 *
ウォルター・ケネディ 大濱甫訳
木の星        大濱甫訳
〇八一号列車     西崎憲訳 *
贋顔団        垂野創一郎訳 *
パオロ・ウッチェㇽロ 大濱甫訳
青い国        大濱甫訳
運命を背負った娘   大濱甫訳
リリス        多田智満子訳
阿片の扉       多田智満子訳
ベアトリス      大濱甫訳
擬曲         大濱甫訳
平底船の少女      西崎憲訳 *

解説 絢爛たる死物  西崎憲

*=新訳

●西崎憲さん新訳「地上の大火」一篇全文を公開中!

遥か未来の燃え盛る終末世界

信仰が絶え、悪徳が蔓延り、嵐と隕石が降り注ぐ中

少年と少女がふたり、逃避行をはじめる──

「地上の大火」冒頭より

 これまで世界を導いてきた信仰が最後の力を振り絞ったが、ついに立て直すことはできなかった。新たな預言者が登場しては無為に消えていった。人の意志の謎は無理矢理解き明かされたが、それも無意味だった。もうそれは重要ではなかったのだ。意志というものが世界からなくなりかけていたのだから。あらゆる生き物の活力がいま尽きようとしていた。未来の宗教を作るための全身全霊の努力も実を結ぶことはなく、人は自己本位の感覚のうちに安穏として埋没した。情動の噴出はいかなるものでも認められた。世界は微温のうちに止まり、凪がつづいた。巨大な毒草の無自覚さで悪徳が蔓延(はびこ)った。背徳が法となって事物を治め、偶然が生を司る神となった。科学は迷信的信仰によって蒙(くら)くなり、偽善的な心性や感覚が触腕となってそれに仕えた。嵐とまがう雨の日々のうちにかつては明確だった四季は溶けた。明確なものはなにもなかった。伝統もなかった。ただ遺物の陳腐な混淆があり、曖昧さの王国があった……

続きはWeb河出でどうぞ!

ボルヘス、澁澤龍彦、乱歩が憧れた男、日本で初文庫化! 重版御礼、本編無料公開。

“知る人ぞ知る”幻想文学の巨匠、マルセル・シュオッブ。

そのシュオッブ初の文庫オリジナル傑作選『黄金仮面の王』(河出文庫)が、2026年3月の発売直後から大きな反響を呼び、早くも重版3刷が決定しました。澁澤龍彦、江戸川乱歩、倉橋由美子、ボルヘス、ボラーニョ……錚々たる作家に多大な影響を与えながらも、これまで広く読まれる機会の限られていた「幻想文学最深奥の短篇作家」。

河出文庫のヒットは、昔からのファンに熱狂的な歓迎を受け、新たな読者に発見され、いま大きな広がりを見せています。

『黄金仮面の王』には、新訳5編を含む全22編を収録。

古今東西の歴史・神話・芸術・哲学への驚異的博識によって創り上げられた、どこか不穏な気配をたたえた硬質で緻密な幻想世界。怪奇幻想文学が大きく注目されるいま、必読の一冊です。

読む者を深い思索へと誘う、マルセル・シュオッブ『黄金仮面の王』にぜひご注目ください。

●著者 マルセル・シュオッブ

出典:Wikimedia Commons(Public Domain)

1867年フランス生まれ。歴史、神話、芸術への博識に拠る硬質で緻密な幻想的作風で、ボルヘス、江戸川乱歩、澁澤龍彦ら後の作家に多大な影響を与えた〈象徴主義世代の中で最も優れた短篇作家〉。1905年没。

・訳者

大濱甫 オオハマ ハジメ

フランス文学者。一九二五年静岡県生まれ。著書に『イシス幻想』、翻訳にシュオブ『架空の伝記』『小児十字軍』『モネルの書』『黄金仮面の王』、リラダン『残酷物語』など。二〇一二年没。

多田智満子 タダ チマコ

詩人・随筆家・翻訳家。一九三〇年福岡県生まれ。詩集に『長い川のある國』、エッセイに『鏡のテオーリア』、訳書にシュオッブ『少年十字軍』、ユルスナール『ハドリアヌス帝の回想』など。二〇〇三年没。

垂野創一郎 タルノ ソウイチロウ

翻訳家。一九五八年香川県生まれ。訳書に《オーストリア綺想小説コレクション》全三巻、マイリンク『ワルプルギスの夜』、ペルッツ『テュルリュパン』、ボルヘス/フェラーリ『記憶の図書館』など。

西崎憲 ニシザキ ケン

作家・翻訳家。一九五五年青森県生まれ。著書に『未知の鳥類がやってくるまで』『本の幽霊』、編訳にコッパード『郵便局と蛇』、編著に「十二か月の本」シリーズ、編集に《惑星と口笛ブックス》《ブンゲイデリバリ》など。

●書誌情報

黄金仮面の王(河出文庫)

著者:マルセル・シュオッブ

訳者:大濱甫/多田智満子/垂野創一郎/西崎憲

解説:西崎憲
仕様:文庫判/並製 /256頁

発売日:2026年3月6日

重版出来日:2026年4月6日(3刷)
税込定価:1,430円(本体1,300円)

ISBN:978-4-309-46830-3
URL:https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309468303/

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