株式会社講談社のプレスリリース
『テレビマガジン完全復刻コレクション マジンガーZ』がいよいよ発売となります。「テレビマガジン」のマジンガーZ付録&口絵を完全復刻! あの懐かしいトランプも、ワクワクしたポスターも、もう一度楽しめる、ファン垂涎の一冊です!
【「テレビマガジン」編集担当・完成までの独占手記】
2018~2019年にかけて、永井豪の画業50周年を記念した展覧会や映画など、さまざまなイベントが行われました。雑誌連載時の雰囲気を味わえる関連書籍も各社から発売されました。本書『テレビマガジン完全復刻コレクション マジンガーZ』も、「読む」楽しさに加えて、「美しい資料」としての性格を兼ね備えた、復刻本としては最強の作りをめざしました。
復刻本の編集は想像以上に手間と費用のかかる作業です。原本をバラしてスキャンして進めることが多いのですが、この本は、雑誌が貴重なこともあり、バラさずに作業していきました。そのためノド(中央)が歪んでうまくスキャンできないため、別にカメラで撮影し、画像を合成してページデータを作ることから始めました。
さらにそこからは「汚れ」「掠れ」「滲み」「色味」との戦いです。ゴミや折れ目などの「汚れ」を消し、時間とともに消えた文字、インクのノリが悪くて見えにくかったりするイラストの「掠れ」を当時を想像して復元。インクの「滲み」により、ガタガタになったコーナータイトルや本文の文字、イラストなどのフチをフラットにしていきます。そして、劣化によって色が薄くなったページをオリジナルに近づけ、モアレが出ないようにしながらシャープネスをかけてかつての雑誌と同じような「色味」を出していきます。
修復するのは雑誌のページですが、実はそのように見える一枚の画像です。当時のコーナータイトルはほとんどが手書きで文字として打ち直すことができません。本文も当時使われていたフォントは現在流通しておらず、ページを再現するには一文字ずつ(に見える画像を)修整していかねばなりませんでした。
通常はこれらの作業を突き詰めて復刻本は完成なのですが、ここでとんでもない罠が待っていました。古い雑誌の青インクを使った1色ページにありがちなのですが、裏のページが透けてしまう、いわゆる「裏写り」がひどいページがあったのです。まるでページに油をこぼしたかのような透け具合で、何が描かれているのか判別すら難しいページが多数存在していました。この修復にとんでもない時間と費用がかかってしまいました。
そのうえ、綴じ込み付録を当時と同じ大きさ、同じような紙質で一冊に組んでみたところ、本を閉じたときに厚紙のフチの跡が他ページについてしまったり、本を開くとページが剝れやすくなったりすることが判明したのです。残念ながらすべての付録を綴じることを断念。最終的にいくつかの付録は厚紙のケースに収納してお届けすることになりました。
そのような苦難を経て、「テレビマガジン」を読んでいたあの頃に返って記事を読め、付録を組み立て、ポスターを広げ、機械獣トランプで遊んでいただける究極の一冊が完成したのです。ぜひ、読者の皆さんにあますところなく楽しんでいただきたいです。
『テレビマガジン完全復刻コレクション マジンガーZ』
定価:本体5050円(税別)
4月9日発売